TSUGUGOTO PROJECT VOL.2 山源陶苑

山源表紙

日本の伝統工芸を新しい形で継承する「tsugugoto」

今回の「tsugugoto」は愛知県常滑市にある山源陶苑さんに伺ってきました。名古屋より電車で約40分程。中部国際空港を有するやきものの町です。鎌倉時代、各地で特色ある陶器の生産が行われるようになり、代表的な産地は「日本六古窯」と呼ばれています。常滑(愛知県)、瀬戸(愛知県)、越前(福井県)、信楽(滋賀県)、丹波(兵庫県)、備前(岡山県)の六つの窯で、中世常滑焼はその中でも最も大きい生産地でした。
今回は、やきものを専門とする工場がたくさん存在する常滑市の中で、伝統を受け継ぎつつも、新しい改革を起こし、現在山源陶苑として活動しつつも【MOMkitchen】ブランドを立ち上げていらっしゃる【MOMkitchen代表】鯉江さんにお話をして頂き、「tsugugoto」=伝承・継承したいモノ、コトを体感してきました。

けんがく山源さんは、お父様の世代から受け継がれた工場で出来上がった商品の棚、焼き釜、女性スタッフが中心となって手捻りで模様等を手仕事で装飾している場所、型を作る場所などがそれぞれ分かれており、2F建ての工場は想像以上に充実した空間になっていました。
手仕事の場所とうまく現代のシステムを導入させたバランスは初代から受け継いだものを大切に、且つ、上手に進化させた賜物なんだと感じ感動しました。

こちらの常滑の地域の中では釉薬の種類をたくさんお持ちであることも山源さんと特徴だとか。。。

決してスムーズに現代の形になってきたわけではない・・時間をかけ、残すもの、変わるものを丁寧に丁寧に育ててこられたことはいうまでもありませんね。
写真左:丁寧な案内をして頂いた鯉江さん

山源陶苑ー新しい力と熟練の技

後輩てびねり
作業風景また、山源さんでは、若手の女性のスタッフさんの存在が目立つ反面、ベテランの型師の職人さんや、長年焼き物を作ってこられた職人さんを社内に招き、技術を丁寧に受け継がれていらっしゃいます。
常滑では窯元の数が 1/3に減ってしまっているという状況の中(10年後には今のペースで衰退してしまうと30件程しか残らない可能性もあるとのこと。。。)
後継者を上手に見つけ、教育されていることも山源さんの自社への愛にとどまらない常滑(地元)愛を感じるところでもあります。
↑手捻り風景
↓熟練の技を要する型作り風景

先輩 型

常滑焼きと言えば朱泥土

常滑焼いぶし説明
お茶を淹れた時に酸化鉄とお茶のタンニンが反応して、苦味渋味がほどよくとれ、まろやかな味わいになるという特徴のある土ですが、表情をつけるいぶしの技術もされているそうです。
皆さんも、ふわっと底を黒くいぶした茶器は見かけたことがあると思いますが山源さんでは、番外編で登場した玉光陶園さんと連携し、自社だけで完結しないモノ作りを心がけていらっしゃる様子。
それもまた、鯉江さんの地域全体に目を向けられている想いだと、痛感しました。

使い込まれた道具がみせる風合い

常滑焼道具たち
今回も、新潟に続き、工場を見学させていただき、使い込まれた道具自体が、何でも使い捨て時代の今だからこそ、より魅力的にうつり、短い期間では生み出せない「味」となって素敵に目に映りました。

伝統をたやすことなく、受け継いでいこうという若い世代がブランド力にあまんじず、新たな試みを模索して奮闘している姿が印象的でした。
常滑焼をモノとしてだけでなく、素晴らしいロケーションの地域を含め、新たな第一歩が踏み出せそうな予感がします。
人と人の繋がり。。。そして伝統の技、心の継承。。。私たちアトリアも微力ながら、繋がりの一部になり、継承できるようなアイデアを出しながら、発信していけたらと思っています。
アトリアで出たアイデアの形は次回へつづく。。。