<ワタシクリエイトCAMPレポート> 「好きを仕事に社会に役立とう」トークセッション

初代自由大学学長、現チーフキュレーターの和泉里佳さんをファシリテーターに迎え
「ココナッツオイルの仕掛人」荻野みどりさんと、「乾物の伝道師」サカイ由佳子さんのお二人をゲストに「好きを仕事に社会に役立とう」をテーマにトークセッションを行いました。参加者がほぼ女性!となり、和気あいあいと女子会のような感じで楽しく、でも真剣にディープに、色々と語っていただきました!

【トークセッションメンバー】
ファシリテーター  和泉里佳さん(自由大学、チーフキュレーター)

サカイ由佳子さん(乾物エヴァンジェリスト、DRYandPEACE代表)
荻野みどりさん(株式会社ブラウンシュガーファースト、代表取締役)

グラフィックデザインや子供関連、ライフコーチの仕事をされている方や、半休を取ってきてくださった熱意溢れる会社員の方!など今後の働き方について考え悩んでいる方がたが参加されました。アイスブレイクでそれぞれ自己紹介をしていただき、和やかな雰囲気の中、女子会のような感じで楽しくトークセッションがスタート!
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きっかけとはじまりの思い

どうしてそれを仕事にしていこうと思ったのか、どういう思いで0から1にしたか、をお二人に自己紹介を兼ねてまずお聞きしました。

荻野さんがココナッツオイルに着目したきっかけは、授乳中に自分が食べているものが子供にすぐ影響したことだったそうです。お嬢さんが湿疹になり、10日間ほど便秘になったことで「人は食べたものでできている」と身を以て実感。安心して子供に与えられる食材を探していてココナッツオイルに出会ったそうです。また、今後ますます女性が働くことが重要となってくる近い将来、「働くお母ちゃん」の背中をお嬢さんに見せたかったことが起業の始まりだったとのこと。夫婦間でも依存しあわない働き方が重要だと思い、産んですぐでも「自分のお金で生きていくこと」をしたかったので、授乳中にヤフオクで落としたものを転売して月10万を稼いでいたという驚きのエピソードをお話してくれました。「売る」のが得意な、根っからの商売センスがあった荻野さんですが、乳児を連れて再就職は難しかったので、だったら自分で!と思い起業されたそうです。
また、「個人的な思いでスタートさせた事が事業として、沢山の人を巻き込み、どんどん大きくなり、そして社会に影響を及ぼすことができる、起業ってなんて面白いんだろう!って思いました」と嬉しそうにお話された荻野さんが印象的でした。

サカイさんは元々弁護士を目指されていたそうですが、諸事情で好きだったアート関係のお仕事につかれました。出産後、お子さんがアレルギーを沢山持っていたので専業主婦にならざるを得ず、また親や誰かに手伝ってもらえる環境ではなったため、育児ノイローゼになられたそうです。何か社会との繫がりがないとつらい!と思われ、今日の料理コンテストに出場されたり(2度も優勝されたそうです!)周りのお母さん達と幼稚園情報のガリ版すりをしてコミュニティを作られました。皆が集まる場でご飯を作っていたのがきっかけとなり、食育ワークショップ「食の探偵団」を設立、活動されている最中に3.11が起こり、冷蔵食品が売り切れても乾物は普通に残っていることに驚き、古くて新しい未来食、乾物に着目しました。サカイさんにとって料理とは、最初はおいしい!と言って食べてもらうことが嬉しかったけれど、料理(ができるという)技術でサカイさんのやりたいことは、社会を変えること!こうなって欲しいと思い未来のために自分なりに考えてできることをやっているそうです。料理のその先に、食と社会の関係を見据え、社会を変えていくために、食でどう解決するか。乾物についても輸送の際のCO2の削減につながるし、常温で保存が利くので、電気代がいらないとか、形が悪くて捨てていた物も乾燥したら形は気にならないので、食品ロスにつながらない。水と一緒なら飢餓の地域にも持っていけるのも乾物ならでは!同じ発想で田んぼを残したいから、米粉に着目をしたそうですが、美味しく食べる方法を模索することを忘れないのもサカイさんならではだと思います。

お二人の共通点として、仕事をして、やりがいやお金を得ることはもちろん、行動そのものが社会にとっても良いアクションであり、また、こうありたい、こうなって欲しいと思う気持ちがすごくあるんですね、と和泉さん。

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アイデアを企業にするためのヒント

そんは想いがあるお二人に、アイデアや思いを仕事や事業としてどう形にするか、またどう持続させていくかそのヒントをお話いただきました。
良いことなら、多くの人が2、3こ思いついていたりするものですが、アイデアをアイデアで終わらせない、ビジネスとして別の領域にいくためにどうすれば良いのか?和泉さんの鋭い質問で具体的なお話が続きます。

荻野さんが起業したばかりの時に、ある方からとても重要なアドバイスを受けたので、皆さんに是非シェアしたい!と話してくださいました。
起業には2つの種類があり、ひとつはめだかの起業、もうひとつはオタマジャクシの起業だそうです。メダカの場合は最初からメダカのまま変わらず成長するのに対し、オタマジャクシはというと、成長して手足が生えてカエルになって地上にでていくというふうに、どんどん成長して変わっていきます。身の丈にあってずっと水槽の中で永く続くということもすごく大事だし、活躍の場をどんどん変えて大きく成長していくこともまた大事である、と。どちらも正しいのだけれど、自分がどっちでやっていきたいのかをはじめに明確にすることがすごく大事!というアドバイスを受け、本当にその通りだと実感されたとか。女性の場合特にお金を稼ぐことへの罪悪感があり、お金は汚いものだというイメージがついているので、会社をおっきくするぞ!とか儲けるぞ!と言うと周りから「あの人ちょっと…意地汚い人」と思われてしまいがちなんですよね、と荻野さん。でも起業って自分の思いを形にしたり、社会を変えていくための手段としてとても良い方法の一つだから、荻野さんは社会を変えたい!と強く思い、結果オタマジャクシのビジネスでいこうと決意されました。なので未来を想像する時にどんどん商品や、やりたいことのイメージが自然と膨らんでいくそうです。
また、そこを明確にしておくと自分が後から苦しくならずに前へ進める秘訣でもあるそう。会社を大きくしたいと思っているのに、お金を稼ぐことへの罪悪感を持ったままだとそれが足かせやジレンマになり、悩んでいる女性起業家の方から多く相談を受けたそうです。

ファーマーズマーケットで娘さんをおんぶしていた時から「大きくするぞ!」と今のイメージを描いていたそうで、ここのスーパーのこの棚にうちの商品おくともっといいのに、とか置きたい!と、もの凄く具体的にイメージすることがとても大切と、楽しそうに話されていました。

逆にサカイさんは、その時その時できることをやって、それを積み上げてきたそうです。小さいことでもまずは試してみて、駄目だったら修正していくスタイルを続けてこられたそう。お子さんが大きく成長された今、夢を大きく持って違う形の働き方に変わってきているそうです。軸をぶれずに持っていれば、色々なステージで実力は付いてくるし、人にも会うようになるので、できる範囲でいかにクリエイティブな発想で小さくてもやってみる事が重要とのこと。

一見対照的なお二人ですが共通点は、実際に行動に起こすこと!
思い立った時には既に半歩でているという、荻野さんに、できることからちょっとずつ、でも着々と行動されていくサカイさん。
二人ともやり方は違えど行動力が非常にあって、凄いなあと、お話を聞いてただただ尊敬するばかりです。

そこで、一見実現が難しいのじゃないか?そんなことできるのかしら?と思うようなことを、実現させる秘訣は何でしょうか?と和泉さんの次の質問が続きます。

サカイさんはお子さん達が原動力とのことです。自分のやっていることを彼らが見ている、と思うとやる気がでてくるそう!
荻野さんは自分がワクワクしたら、やる!とシンプルに決めているそうで。人がこう言っているから、とか足かせになって留めているのは結局自分なので、ワクワクしても何が自分を止めているのか、一度冷静に立ち止まって見極めることが重要、と荻野さん。

状況によることもあるけれど、良くも悪くも自分を止めるのも、自分の背中を押してくれるのも結局は自分なので、良く考えてストッパーを徐々に外して行くことも重要ですね、と和泉さんがまとめられ、次の質問にうつります。

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革新者・マイノリティーならではの視点・強み

ココナッツオイルの仕掛人だったり、乾物を売り出していこう!とかモンゴルに植樹をしにいこう!などお二人とも色んなことをされているところはやはり革新的であり、とは言え、食品業界は特に男性社会ということを聞いたので、女性である、ということがマイノリティーでもあるのではないか?そういう「ならでは」の視点・強みは何なのかを次にお聞きしました。

荻野さんは、業界ずれしていない(業界のルールや人脈などしがらみがない)から、うらやましいと、業界の大先輩から言われたそうです。人のコネクションで仕事を勝ち取りに行ってないので、弱みでもあるけれども、突撃で自分から電話してアタックしたり、しがらみなく自由に動ける分、強みでもある。意図せずとも業界の発想では考えつかないようなアイデアを自然とだしているようです、と荻野さん。
荻野さんはアパレルご出身なので、その発想から食品会社だけれどもバシッと展示会をやって、プレスに対してのアプローチも把握していたり、また食品だけれども、商品の世界観を伝えるためにスタイルブックを作ったそうです。それは実は生産の背景を伝えることであって、特にオーガニックだから凄く大事にしている点とのことで、これは業界のルールにとらわれないから湧いてきた自由な発想だと言えるかもしれないですとおっしゃっていました。

「今言われたことって、業界だと新参者で、コネもなければ、知らないことだらけだから、何もできません!と弱みや言い訳にしかねないようなことだけれども、荻野さんのように突き抜けていくと逆に強みになってて、大先輩からも羨ましいと言われるのですね!」と、和泉さんのコメントに「突き抜けちゃうと、面白がられますね~、なんか見ていて面白いみたいですよ」と人ごとのように言われていた荻野さんですが、お話を聞いていても確かに面白く、なんとなく目が離せない、見ていると気になってしまうというのがよくわかります!

同じくサカイさんも元々食に関してのキャリアバックグラウンドを持っていないことで、面白い発想ができるよね、と言われるそうです。会社に属していないので、この人と仕事がしたい!と思った人のところへ自分から行けてしまうのと、会社背負っているとプレッシャーを感じるけど、断られても自分のプライドが傷つくだけなので、わりと気楽に声をかけれるとことかが強みだと思いますとおっしゃっていました。
女性としての強みは?というところで、男性は特に競争心が強いので、どうしても相手より優位に立とうとするところを、女性の強みは巻き込む力だと思っていて、勝ち負けよりは、大きくみんなを巻き込みたいという思いがあるのは女性ならではだと思っていて、そういうマインドでやっていると男性からも脅威がられないそうです。
私なんて脅威になりません、というスタンスで、男性をきちんとリスペクトして、たてつつ、でもしっかり中には入っていくというしたたかさも必要とのこと!さすがです。
荻野さんの中では、同じ業界の中で競い合うより、みんなを巻き込む方が力も大きくなるし、結果が早い!人を巻き込んで一緒にやる、そういう感覚で仕事ができるのは女性ならではの強みだとも言えますね!また、人を巻き込んで仲良くやっていくだけでなく、そこできちっと売り上げをだし、数字をだしていかないと、男性は巻き込まれてくれないので、そこは
男性社会で認めてもらう(成果を出す)にはやはりきちんと稼いで数字をだすことが大事、との外せないポイントもありました。それぞれの人にどうアプローチするかを、きちんと考えて行動されています。

乾物の世界も、大きい会社もあるものの、小さい会社がほとんどなので昔からの決まった繫がりや、小さい世界ならではの特定の繫がりがあるそうで、新しい人や違う人同士でつながれるようそのつなぎ役としてやっていきたいとサカイさん。昔は200数軒あった棒寒天の業者さんが今は12軒ほどしかないそうで、やはり特定の和菓子屋さんとつながっていて中々新しい繫がりがもてないところをフリーランスの立場や、女性ならではの視点で業者さん同士をつないでいけているというのが強みとサカイさんも言われていました。会社員であれば、その立場でできることをやっていくであろうし、フリーにはフリーの人しかできない動きがあるので、自分の責任は自分でとっていく、潔い働き方というのは女性ならでは、なんだと思います、とも言われていました。

やはり同じようにパイは大きく、そして重要なつなぎ役として活躍されるところはお二人の共通点でした。「同業他社で小さなパイを奪い合うのではなく、それ自体を大きくしていこう、発展させていこう、という発想ができるのは女性ならではですよね」と、和泉さん。女性ならではということで、もう一つ気になるのはやはり、「子育てと仕事の両立」について、聞いてみました。

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子育てと仕事

お子さんが産まれたことが仕事を始めるきっかけとなったお二人ですが、子育てと仕事についてお二人の考えをお聞きしました。

20歳の時に思い描いていたような人生ではなく、思い通りにいかないことも沢山あったけれども、やれることをトライ&エラーで進めてきて途中を振り返ると、ああこの人生で良かったなと思えますと、サカイさん。ご自分が悩んだり、苦労してきた姿をお子さんとシェアしてきたことで、お子さんが大人に成長された今、「お母さんの年代でそんなことが経験できるなんてすごいじゃない、頑張って!」と応援されるとか。仕事環境には恵まれていたそうで、お子さんが小さい時から地方出張に子連れて行き、打ち合せしている側で子供を寝かしつけたり、スタッフの方も面倒を一緒になってみてくれたそうです。海外にホームステイした時も一緒に行ったりと、母親が頑張っている姿を子供がしっかり見ていたからこその絆というか、親子の信頼関係があるのではないかなあとお話を聞いていて思いました。

荻野さんはお嬢さんが現在4歳で、絶賛子育て真っ只中!製品がココナッツオイルなので海外に出張も多いそうで、一番最初はフィリピンに授乳中の時に行かなければならず、乳飲み子を置いていくなんてなんて私はひどい母なんだろうと泣いたこともあったとか。「いつも家にいて四六時中子供と過ごすのが良い母親」という母親像が日本特有のものであることが、フィリピンの子育て事情(母親は国外に出稼ぎに行くのが当たり前で、祖母が育てる)や、欧米のお母さんたちが子連れで仕事しているのを実際に目の当たりにし、だいぶ気が楽になったとか。世界に目を向けて知ったことにより、量より質なんだなということが腑に落ち、それ以来必要以上にお嬢さんに大好きだよ〜チュッチュッと、愛情表現をするようになったそうです。また、出張や仕事で出かける時は、言葉を濁したり、だまして出かけたりせずに、いつからいつまで、どこに行くからしばらく連絡取れないよ、でも連絡できるようになったら写真送るねなど、お子さんがどんなに小さい時でも、きちんと状況を説明し続けたところ、最近は「うん、わかった。行ってらっしゃい」と見送ってくれるそうです。凄いですね!

この後も色々とお二人の子育てのお話があったのですが、それは割愛させていただき…

お二人とも共通していたことは、自分のワクワクすることに忠実に、またその先の未来や社会を見据えてまっすぐに行動を起こしていくことでした。自らが良い!勧めたい!と思う物を純粋に伝えていくことで、周りの共感・賛同を得て、それが自然と大きな渦となり、結果沢山の人を巻き込んでビジネスが大きくなり、社会も変わっていくということも共通していましたね。三人揃うととても華やかで、女性のパワー・エネルギーは本当にすごい!と感心する回となりました。